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貧乏観察日誌

世の中は貧乏に厳しいが、それでも足掻いて少しでも心でも生活でも何かしら豊かになろうと試行錯誤するブログ。

哲学者たちは食事する夢を見るか

哲学的ゾンビには、美味しいと感じることすらない。

いや、哲学のことは何も分かりません。
ソクラテスニーチェハイデッガーくらいしか哲学者も分かりません。なんだっけ、プランタンみたいな名前の人もいたと(プラトンでした)。

「食事をする哲学者問題」というのをご存知でしょうか。
お話はこうです。

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哲学者、ハイデッガーは空腹であった。
食事も忘れ、あまりに哲学をし過ぎたのだ。彼は椅子から立ち上がると、椅子の背にかけていたジャケットを羽織り、食事をしようと街へ出かけた。

「哲学者たちのレストラン」
なんとも哲学的なレストランを見つけた。よし、ここにしよう。ハイデッガーは店の扉に手をかける。ギィ…と重く扉が軋んだ。

店の中には円卓がひとつ。取り囲むように5つのテーブルがあり、その内4つの椅子には既に先客が座っていた。
円卓の中心にはスパゲッティの入った大きなボウルがある。椅子の前には皿が1枚。そして皿と皿の間にはフォークがひとつずつ置いてある。

相席か…、と渋々ハイデッガーは空いた椅子に腰を下ろした。
ふと皿を見ると、そこには奇妙にも文字が書かれていた。

食事のルール
1.当店のメニューはスパゲッティのみ。大皿のスパゲッティを召し上がって下さい。
2.お食事の際は必ず左手側のフォークから取り、左手にフォークを握られてから右手側のフォークをお取りください。同時に取りますと周りのお客様にご迷惑となります。必ず1本ずつお取りください。
3.必ず2本のフォークでボウルからスパゲッティをお取りください。たいへん絡まっております。
4.お皿に移したスパゲッティを食べ終えましたら、フォークを右手より順番にお戻しください。続けてのお食事は周りのお客様のご迷惑となります。
5.フォークの数には限りがございます。周りのお客様のお食事を待って、お使い下さい。
6.隣のお客様との意思疎通はお控えください。

なんということだ。相席だけでなく、フォークまで共有とは。流石は哲学者たちのレストラン、名前に恥じず意味がわからない

空腹のハイデッガーに意味などはどうでもよく、ルールに従い左手にフォークを握った。
ふと周りを見渡すと、どうやら皆が同時にフォークを左手に取ったようだ。当然、ハイデッガーの右隣の客も左手にフォークを握っている。
右隣の客が諦めてフォークを置かない限り、ハイデッガーは食事することができない。そして、それはすべての客に言えることだった。

時間だけが流れ、ハイデッガーは大皿のスパゲッティが少しずつ乾燥していくのを、左手のフォークと共に見つめることしかできなかった…。

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誰も身動きが取れなくなる、デッドロックという状態です。これを解消するためにはどうするか、という名目で大変有名な問題らしいです。

人は生きていると、四方八方自身の問題も含めて雁字搦めでときに動けなくなってしまうものです。
この問題もそうです。
誰かが諦めてフォークを置けば、少なくとも左隣の人は食事することができます。
しかし誰も諦めない。折角取ったフォークを、諦めきることができないのです。

世界を円滑に回すためには、何かを一度諦める人がいて、それ故に何かを得る人がいて。そしてそれを繰り返すことで今があるのかもしれません。
まぁ、諦めっぱなしの場合もあるかもですが、そこはいずれ巡りくる利益を待つ大切な時間なのでしょう多分。

ただ、この問題は内部の、つまり5人だけで解決しなくても良いみたいで、Wikipedia先生によれば『場のフォーク状況を全て知るウェイターを配置し、フォークを取る際にはウェイターの許可を得る』という解決策が示されておりました。

人追加していいなら、もう一本フォーク頼めば!
大体、想定し得る最大客数に対してフォークが少ない状態で店を開業しようとすることに大きな誤りがある。つまり悪いのはオーナーであり、店長である。
いつの時代だって、「要領悪い立場が上の奴」に苦しめられる世の中なんだ。

ちなみに、この問題はプログラミングの世界で語られる問題であり、実際の社会に置き換えることはあまりにナンセンスであることをここに自分への戒めという意味も込めて、最後の挨拶に変えさせて頂きます。

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